AGAとは?「美女を職場から追い出すと薄毛が治る」は本当の話です

枕元に大量に落ちている抜け毛や、風呂場の排水溝に溜まった自分の髪の毛を見てあなたはストレスMAXになり、自分の薄毛の原因を必死で探し、なんとかフサフサの全盛期に戻る方法はないのか焦りに焦っていると思います。

そんなあなたの年齢が20代から40代なら、薄毛の原因は9割以上の高確率でAGA(エージーエー)と呼ばれる男性ホルモンが原因で起こる脱毛症です。

薄毛(AGA)治療の第一歩は、この記事のタイトルどおり「美女を職場から追い出すこと」。ウソだと思うでしょうけれど、この記事を読んでいただければ「医学的にも臨床的にも本当の話だったのか」と納得いただけると思います。

この記事では、あなたを悩ませているAGAの正体を暴くことで、何をどうすれば髪の毛が生えてくるのかが薄毛初級者の方でも簡単に理解できるよう丁寧に解説していきます。

一日も早くあなたが人前で前髪をかきあげたり、下り階段で先頭を歩けるように心から願っています。

1.髪の毛の寿命が極端に短くなるのがAGAの正体

まずはAGA(男性型脱毛症)という症状の概要を学習していきましょう。概要(全体像)が分かれば、なぜこの治療が必要なのか、なぜあの対策法はあなたに合わないのか、が分かるようになるでしょう。少し眠いかも知れませんががんばって勉強してください。

1-1 AGA(男性型脱毛症)とは?

AGAとは、健常な状態だと約4年前後の髪の毛の寿命がわずか半年程度、つまり正常時の1/8程度に短縮されてしまう症状(※)のことを指します。これを人間の寿命に置き換えてみます。
※AGAは医学的には病気と認定されていません

男性の平均寿命は80歳なので、この1/8は10歳です。10歳というとバリバリの成長期ですよね。その成長期の最中に髪の毛が抜け落ちてしまうのがAGAの大きな特徴です。AGAによって早期に抜け落ちてしまった髪の毛は実はすぐに生え変わるのですが、生え変わって成長期に入ったかと思ったらまたすぐに抜け落ちてしまいます。これを永遠に繰り返すのがAGAの正体です。

解説します

発症は20代後半から30代にかけて多く見られ、「AGAの若年化が進んでいる」と言われます。実際にはここ20年の統計で年齢による発症率に顕著な変化はありません。
患者の数は成人男性の約3割、人口換算すると約1,200万人と推測されており、約2人に1人発症している花粉症に次いで国内で2番目に患者数が多いですが、白人はこの割合がもっと多く、日本人が決して薄毛になりやすいわけではありません。

1-2 AGAの症状(外見上の特徴)

AGAになった場合の外見上の特徴(症状)は以下の3パターンしかありません。

  • 頭頂部のつむじを中心にO字型に薄くなる
  • 額の生え際がM字型に後退する
  • OM同時に薄くなる

このようなハッキリとした特徴があり、専門病院に行かなくても自分がAGAかどうかはなんとなく分かると思います。実際にAGA専門病院の専門医も、上記のどれかに当てはまっているか否かでAGAかどうかを判定しています(アメリカではさらにA字型という分類も)。


画像引用元:http://hairmomentum.com/hair-loss-what-causes-male-or-female-pattern-baldness/

注意

髪の毛全体が間引くように薄くなる「びまん性脱毛症」はAGAではなく過度なダイエットや偏食による栄養不足が原因か、あるいは精神疾患などの病気が原因なので、AGA専門クリニックに行っても治りません。

1-3 血液検査

AGA専門病院に行くと、初診時に血液検査をされることがあります。この血液検査はAGAかどうかの判定ではなく、

  • 肝臓の値を調べるため
  • 血糖値
  • 他に病気がないかどうか調べるため

この3つが主目的であり、AGAかどうかを血液で判定する技術は日本にも世界にもまだ存在しません。

なぜ肝臓の値を調べるのかというと、AGA治療薬の中心であるフィナステリドおよびデュタステリド(ともに経口薬)は、肝臓に負担をかけてしまうからです。よって、血液検査で肝臓の数値が悪いと薄毛治療を断られる場合があるので留意してください。

2.ヘアサイクル(毛周期)とは

AGAは髪の毛の寿命が極端に短くなる現象だと言いましたが、ここをもう少し掘り下げると、よりAGAの正体が見えてきます。もう少しばかり退屈な講義を続けますね。

AGAとはヘアサイクル(毛周期=髪の毛の生え変わり)の中で、髪の毛が太くなる期間(成長期)が極端に短くなると同時に、髪の毛が全く成長しない冬眠期間(休止期)が長くなる現象のことを指します。

AGAではない健常な方の髪の毛は、平均4年の寿命のうち、成長期が3年半以上続きます。ところがAGAになると、成長期は1~2か月で終わってしまい、髪の毛が成長して太くなる前に抜け落ちてしまうのです。

AGAのヘアサイクル

2-1 発毛専門業者の宣伝に騙されるな

ここはとても重要なので基本としてしっかり押えておいて欲しいのですが、AGAは髪の毛の寿命が短くすぐに抜け落ちてしまうものの、すぐに産毛となって再生します。

すぐに再生するということは、AGAであっても元仮面ライダーの藤岡弘さんのような剛毛の人であっても、髪の毛は同じ本数(約10万本)生えているということです。

細すぎて肉眼で見えないだけで、マイクロスコープを使って頭皮を観察すると、肉眼で見えない産毛(うぶげ)がちゃんと生えていることがわかります。

AGA治療というのは厳密にいうと髪の毛を発毛させるのではなく、細い髪の毛を太く育てる(育毛する)ことです。毛穴がないゼロの場所から髪の毛は生えてきません。すでに毛穴があってそこから産毛が出ていて、その産毛を太く育てるのがAGA治療です。

発毛という言葉を使っている業者はたいてい不当に高い強気な料金設定をしているので、「発毛」という宣伝文句に絶対に惑わされないでください。発毛と育毛は原理は全く同じで治療法も全く同じです。

わざわざこのことを書いたのは、あなたに大金を失って欲しくないからです。もっと安価で治療できる方法などいくらでもあるので、発毛という言葉に騙されて大損しないよう十分に注意してください。

解説します

厳密な意味で「発毛」と呼べる治療が一つだけあります。自毛植毛です。自分の後頭部から根っこごと髪の毛を抜いて、それを薄くなったM字部分などに移植します。毛穴の無い場所でも植えさえすれば生えてくるし、後頭部の毛はAGAの影響をまったく受けないので、植毛した髪の毛は植えた場所がM字部分であっても抜けることなく成長を続けてくれ生涯の財産となります。

3.AGAの原因は男性ホルモン

ここからいよいよAGAの核心部分である「AGAの原因」に入っていきます。

AGAはAndorogenetic Alopeciaの略語で、Andorogeneticは男性ホルモン、Alopeciaは脱毛症という意味です。AGAを日本語に正確に訳すと「男性型脱毛症」ではなく「男性ホルモン脱毛症」となります。なぜ男性ホルモンが原因なのか中身を見ていきましょう。

3-1 諸悪の根源はジヒドロテストステロン

「AGAの原因は男性ホルモン」というザックリとした括り(くくり)の症名になっていますが、詳しくは男性ホルモンを構成している数種類あるホルモンの中でも、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンが頭頂部と前頭部において毛母細胞を攻撃して髪の毛を成長させなくします。
※側頭部と後頭部はDHTの攻撃を受けないのでフサフサのままです

ということはAGAの直接の原因はジヒドロテストステロンであり、このジヒドロテストステロンを頭皮から追い出すことがAGA治療の基本中の基本ということになります。

もう少し詳しく仕組みを見ていきましょう。

3-2 ジヒドロテストステロンは「女の前で調子コいてる男」のようなもの

ジヒドロテストステロン(DHT)は男性ホルモンの一種で、数種類確認されている男性ホルモンを形成するステロイドホルモンの中でも「最強にして最凶」のステロイドホルモンです。

このDHTがなぜ最強でなぜ最凶なのか説明します。

男性ホルモンは、男性らしさを形成するために必要なステロイドホルモン(※)です。女性より筋肉が多いのも、闘争本能も、すね毛や胸毛、男性器の形成や精子の精製も全て男性ホルモンが必要です。
※副腎皮質から生成されるホルモンの総称

数種類確認されているステロイドホルモンの中でもDHTは筋肉の生成や男性性器の形成、精子などに特に大きく作用しており、DHTが少ない男性は、極端な話「おねえ」になってしまいます。

男性が男性らしく力強い存在であるために絶対に必要なのがDHT(ジヒドロテストステロン)であり、それゆえ「最も強い(最強)」と表現したわけですが、このDHTが頭頂部と前頭部(いわゆるM字)において「のみ」毛根にある毛母細胞に悪さをするのです。悪さというのは「毛母細胞を攻撃して毛髪の成長を阻害する」ことを指しています。これが薄毛の直接の原因であり「最凶」のゆえんです。
※DHTは側頭部や後頭部では毛母細胞を攻撃しません

3-3 DHTはどうやって生まれるのか

DHTはテストステロン(男性ホルモンの一種)と5α(アルファ)リダクターゼⅡ型という酵素とが出会うことによって生成されます。酵素は誰しもが体内に持っていて、細胞分裂のトリガー(引き金)の役割をしています。
※酵素が体内からなくなると細胞分裂ができなくなり人間は死に至ります

5αリダクターゼⅡ型は、例えるなら「絶世の美女」だと思っていただければイメージしやすいかも知れません。男性だらけの職場にグラマラスでいい香りのする絶世の美女が配属されてきたとします。職場の男たちはどう反応しますか?言うまでもなく「オレオレアピール」をすると思います。

  • 急に仕事にやる気を見せる男
  • 急に親切になる男
  • 急にオシャレになる男
  • 急に会議での発言が増える男

関西弁で言うところの「イキってる」状態です。

男性だけの職場で淡々と仕事をしている普段の男たちを「テストステロン」だとします。そこに、グラマラスな絶世の美女(5αリダクターゼⅡ型)がやってきて、興奮してイキってしまい、普段とは違った行動を取ってしまう男が「ジヒドロテストステロン」のようなものだと思ってください。

職場の美女に男たちが色めき立ってる図

筋肉をつけたり男性器を形成したりするのために、ジヒドロテストステロンは絶対に欠かせないホルモンです。その一方で、頭頂部と前頭部においては明らかに普段とは違った行動(毛母細胞を攻撃する)を取ってしまいます。

参考情報

すね毛や胸毛などではジヒドロテストステロンによって毛がさらに太く濃くなりますが、なぜか頭頂部と前頭部に限って毛母細胞を攻撃して脱毛させてしまいます。

4.絶世の美女を職場から追い出すのが薄毛治療の第一歩

イキってしまい余計なことをし始める男たちを「落ち着け」となだめたり抑えたりするためにはどうすればいいのかと言うと、答えは簡単。絶世の美女(5αリダクターゼⅡ型)を職場から追い出せばいいのです。

ここで登場するのがフィナステリドおよびデュタステリドというAGA治療薬。

フィナステリド
画像引用元:ファイザー製薬公式サイトより

フィナステリド(商品名:プロペシア)の効能は5αリダクターゼⅡ型の阻害で、デュタステリドは5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型の阻害剤です。

AGA治療の第一歩は、フィナステリドかデュタステリドを服用することから始まり、男性型脱毛症診療ガイドラインでも、フィナステリドおよびデュタステリドの服用は推奨度A(行うことを強く推奨する)となっています。

この薬を飲むと、5αリダクターゼⅡ型(絶世の美女)が阻害され、薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(イキって余計なことをしている男たち)が生成されにくくなり、その結果ヘアサイクルが正常化し髪の毛が元に戻ってきます。

解説します

5αリダクターゼⅠ型は薄毛(AGA)の原因ではありません。Ⅰ型は皮脂腺を刺激して頭皮を脂性にすることはあっても毛母細胞を攻撃しないので、薄毛との因果関係はありません。「デュタステリトはⅠ型も阻害するのでフィナステリドよりも効果が高い」という記事をよく見かけますがそれは誤りです。Ⅰ型を阻害すると頭皮の脂性(あぶらしょう)が改善することはあっても髪の毛が生えてくるわけではありません。デュタステリドは血中に滞在する時間がフィナステリドより長く、より多くの5αリダクターゼⅡ型を阻害してくれフィナステリドよりも効果が少し高い、というのが医学的な説明になります。

5.もう一つの推奨度Aの治療「ミノキシジル外用」

このブログではAGA治療の基本(原則論)を教えています。応用についてももちろん触れますが、まずは基本を勉強してみてください。

男性型脱毛症診療ガイドラインで、フィナステリドおよびデュタステリドの服用に並んで「行うことを強く勧める(推奨度Aランク)」なのが、ミノキシジルという成分を頭皮に塗ること(外用)です。

5-1 育毛剤リアップ

大正製薬リアップ
画像引用元:大正製薬公式サイトより

リアップは、ファイザー製薬のロゲインの日本版です。ファイザーから権利を買り日本で販売しているのが大正製薬です。経口薬(飲み薬)と違い副作用もほとんどないので、海外製の安いリアップ(ロゲイン)を個人輸入代行店で買い使用する人も多いでしょう。

注意

個人輸入代行店の利用は、当サイトでは推奨していませんが、ロゲインは塗り薬なので副作用がもし出たとしても経口薬に比べればタカが知れてます。無理して高いリアップを使うことはありません。
※フィナステリドやデュタステリド、経口タイプのミノキシジルの個人輸入代行店の利用は絶対にやめてください。

5-2 スカルプD メディカルミノキ5

スカルプD メディカルミノキ5

雨上がり決死隊の宮迫さんのCMでお馴染みの育毛シャンプー「スカルプD」から、最近になってミノキシジル5%入りの育毛剤が発売されました。

効果効能は大正製薬リアップと全く同じで成分も同量じです。どちらかを選べと言われたら雰囲気や直感で選んでくさだい。

個人的には、そんなことよりも、CMに草彅剛さんを持ってきたのがすごいと思いました。草彅さんの過去を知っている方なら「え?よく草彅君このCMに出ることを承諾したね。」となると思います。

これ以上は言えません。。。

6.まとめ

この記事では、AGA(男性型脱毛症)は、髪の毛の発達障害であることと、発達障害を引き起こす原因はジヒドロテストステロンであること、そして、ジヒドロテストステロンを生成させないようにするためには、フィナステリドおよびデュタステリドの服用が有効で、それにプラスしてミノキシジルを頭皮に外用すべき、というところまで解説しました。

ここまでがAGAの基礎編となります。あくまで「基礎」なので「応用」がもちろんあります。そして応用までしっかり勉強しないと、「ガイドラインに従って治療したのにほとんど生えない!」ということに。

ガイドラインに従ったのになぜ髪の毛が生えないのでしょうか?ガイドラインは患者に健康被害が絶対に起きない範囲内での治療法しか推奨していないからです。

でも、生えて欲しいですよね。多少のリスクくらい負ってもいいからとにかく一日も早く髪の毛を増やしたいと思いますよね。

そこでここから先は、応用編を解説していきます。AGA専門クリニックの宣伝で「発毛実感率99%」という異常とも思える数値がなぜウソじゃないのか。あるいはAGA治療の決定打として日本国内でも定着し始めた自毛植毛などについて詳しく解説していきます。ぜひこの先の記事を読み進めてみてください。

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